私たちの暮らしも経済も政治の影響を受けている。ただ、多くの人たちにとって、政治は自分たちに「遠い」存在だ。無関係と思っている。だから投票にもなかなか行かない。投票に行かないだけではない。政治家に立候補して投票をしてもらう立場となると「もっと遠い」。親が政治家で地盤がある、政党や団体に所属していて組織基盤がある、経済的余裕がでてきたので「議員でも」してみようか。そういう一部の限られた人が政治に向かう。その結果、私たちの代表であるはずの政治家に、普通のサラリーマンや子育て中の主婦、女性、若い世代の政治家が少なく、多様な民意の代表者となっていない。
今、日本の政治は大きな曲がり角にある。3.11大震災の後、日本中が深刻な政治不信に覆われているが、一方で若い世代を中心に、政治に関わらなければという新しい動きも起こり、地域政党への期待が高まっている。様々な場所、様々な形で、明治以来の日本の統治機構を変える改革もはじまろうとしている。改革の方向性を共有しながら、日々の暮らしを背負う女性ならではの視点、未来に不安を抱く若者の視点、大都市にはない地方の視点を補完しながら、地方の経済、文化、社会の自律をめざした地方自治が今、求められている。
日本の地方には潜在的な力がひそんでいる。この潜在的な力を「自覚化」して「見える化」して、地域に元気をふきこむためには、若者、女性をふくめて、「政治家の多様化」が求められている。とはいえ、地盤も鞄も看板もない人は、高い志をもっていても、なかなか立候補することができない。選挙の仕組みは難解で、お金が必要になり、違反をしたら大変だ。現状への危機感や問題意識をどうやって政策として組み立てるのか、どうやって政策を訴えるのかもわからない。政治の世界への新規参入の壁は、依然として高いと言わざるを得ない。
そこで、この「未来政治塾」は、さまざまな地域や職種、背景をもつ人たちが政治や行政を学び、選挙の仕組みを知ることで、政治の世界への新規参入を促す場としたい。いわば政治シロウトが政治家に飛び出すための仕掛けである。一方で「この人なら投票をしたい」と思う選択肢が増えると、投票率も高まり、政治の質はあがる。今、少子高齢化が進む中で国民が抱く未来への危機感と、政治の未来への責任を共有できる、そんな政治家を1人でも多く増やしていきたい。
2013年 2月 滋賀県知事嘉田由紀子
塾長 嘉田由紀子(滋賀県知事)
事務局長 小川泰江(守山市議会議員)
田原総一朗(ジャーナリスト)
応募資格:年齢・性別・学歴・職歴・支持政党などは不問。
応募方法:応募フォームに必要事項を記入いただき、志望理由をもとに入塾審査を行います。
募集締切:平成30年5月31日(木)
※ 受講生や卒業生が各種選挙に立候補する際に、塾長以下当塾の関係者が推薦・公認・立候補支援等を約束するものではありません。
※ お申込後、ご参加をお断りする場合がございます。予めご了承下さい。
※ 詳細は受講方法/募集要項ページをご確認下さい。