1977年京都大学法学部の卒業。革新自治体の台頭や都市政策、環境政策が課題となり始めた時代で、行政分野に対する興味を強め、大学院へ進学、ドイツの地方自治を研究しました。西独に留学し'86年立命館大学に就職。住宅地の高地価がゆるやかな都市計画から生じる問題の分析、ケルンと京都の都市政策の比較、新京都駅ビルの決定過程、スイスの住民投票などの研究があり、これらを『日本の地方自治と都市政策』にまとめています。また、ドイツにみられる地方分権、議会への市民進出、政党間競争、かなり合理的な政策形成などを、日本と比較することで、日本の現状の説明と改善のための手掛かりを得ようとしています。
2000年代に入ると、日本の都市政策や環境政策は一定の成果を見せるようになりましたが、財政危機の中で、自治体の統合案(道州制、大阪都構想など)が活発に主張されるようになっています。自治体の統合は効率化への期待とともに、地方の民主主義や政策能力にはマイナスのおそれも強く、その点を研究対象としています。
公共交通や自分の足を使った旅行、美術鑑賞が趣味。
担当講義
平成25年度
第一回講義(04月20日開講)「日本の政治の仕組み」
著書/論文/寄稿
村上弘「日本政治と「維新の会」―道州制、首相公選、国会縮減の構想を考える」『立命館法学』2012年4号(pdf)(★訂正:691ページ、道州制は法律事項です。)
村上弘「橋下政治は日本をどう変えたいのか 「躍進」維新の狙いを読み解く」雑誌『g2』12号、講談社、2013年
村上弘・佐藤満編『よくわかる行政学』ミネルヴァ書房、2009年
村上弘「公共性について」『立命館法学』2007年(pdf)
村上弘『日本の地方自治と都市政策 ― ドイツ・スイスとの比較』法律文化社、2003年
講義のおもな参考図書
『政治・経済用語集』(改訂版)山川出版社、2009年(*時事用語だけでなく学問的・歴史的な基本知識も学べる)
吉見俊哉『ポスト戦後社会』岩波新書№1050、2009年(*リベラル・中道左派の立場からの日本現代史)
兼子仁『変革期の地方自治法』岩波新書№1349、2012年(*法制度を中心に第1人者が分かりやすく解説)